多摩大学リレー講座

千日紅:名前通りにいつまでも咲き続けている。
講師は学長の寺島実郎さん。
「大震災復興・原発問題における政治学・心理学」
タイトルとは別に差し迫ったTPPについての解説から。
先生はもともと開放主義者で自由貿易推進派。
ただ今の日本の状況での加盟については得策ではないという事だった。
日本同様アメリカも長年の中東での莫大な軍事費と疲弊の穴埋めを
新興国群アジアへのシフトで挽回しようという戦略を
アメリカ頼みの戦略なき日本がその圧力に屈服するだけで事は済まされない。
すでに世界中が資本主義の死に至る病に侵されつつあるとき
次に打つ手を日本自らがイニシアチブを持って選択していなければ。
さていったい誰にそれを期待するというのだろう。
ところで多摩大学の就職戦線の現状も話された。
地元志向の堅実な斡旋をすると
親が有名企業でないと心無い言葉で学生を傷つける。
さりとて有名企業の採用数の
ほとんどは
今や日本の大学間の競争ではなく
東南アジアからの留学生や現地に留学経験のある
即戦力の学生に占められているとか。
こんな厳しい経済状況であれば企業としては当たり前だし、
仕事で苦労することや海外で苦労することは
やってみようとさえ思わず
事前に避けようとする軟な日本の学生とその親ではとても太刀打ちできはしない。
経済状況が戦後と同じに落ち込んだとしても
それに立ち向かう体力と気力は戦後の日本人の比ではない。
後発国が戦後の日本人が持っていた強靭な精神力と体力・気力で
加速しているときに飽食と中流に安住した我々とその子供たちは
どう生き延びるのかな。
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