正々堂々

睡蓮:ホテイソウが大きくなりすぎて陰に隠れてしまった睡蓮。気が付けば小さな花が咲いていた。
朝、娘が録画していた「NHKスペシャル クジラと生きる」という番組(2011年5月23日午後9時より~)を見た。
2009年のサンダンス映画祭で、日本の太地でのイルカ「虐殺」映像 を含むドキュメンタリー映画「The Cove」が観客賞を受賞した。その後の太地町の町や漁師の苦悩とその後も続くシーシェパードの活動が紹介されていた。
日本人にとって捕鯨は伝統的な食の営みでその他の獣肉を食べない時代の重要なタンパク源だったと思う。
他の生物の命をいただいて命をつなぐという人間の本性からいえば
それがいかに残酷でも生態系を大きく変えない範囲において許されると思う。
食に資し、その他の部分も余すところなく利用しているわけで
虐殺というのは筋違い。
ただし殺し方については批判の余地がなかったわけでもないみたい。
その種を絶滅に追いやる乱獲は非難されるべきだけど。
単にかわいそうというのはあたっらない。
他の食に資される生物はかわいそうじゃないのかという話になるから。
その後ネットで見ると賛否両論さまざま。
今後どういう展開になるのか私にはわからない。
ただ一方的で意図的な編集で作られた映画が高評価を売る土壌が世界的な潮流の中で
伝統的な日本人の食と食文化とそれに携わる人々の暮らしをきちんと伝えることは
すごく難しいだろうと思われる。
狩猟民族の欧米人にコメを主食に野菜と魚を副菜のつつましい食を紡いできた我々日本人が
なぜと思うけれど。
日本人は自分たちの正当性や権利をきちんと主張するのが下手な国民だなとつくづく思う。
島国でそういう場が極端に少なくて済んできたことによると思うけど
グローバル化が叫ばれるときその技術がすごく重要になってくる。
とりわけ外交で。
若い人たちには世界に向けて正々堂々と渡り合える高い精神性と会話の技術を身に着けてもらいたいと思う。