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メリエンダのティータイム

お茶飲みながら気楽・気軽・気ままにつづる日々雑感。姑99歳を1昨年、母96歳を昨年続けて見送りました。これからは老夫婦の二人暮らし。


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明日の神話

高校の東京同窓会総会。
幹事でなけりゃわたしだってきっと行かない総会。
同期で3人が参加してくれただけでもいいか。
確かに同期と話すとどうしてこんなに気楽で楽しいのかしらと思う。
学生時代は口をきいたことも無い人だって言うのに。

この同窓会のゲストスピーカーとして
岡本太郎の「明日の神話」の搬送や修復に携わられた
構造家の中田捷夫さんが見えて講演があった。
岡本太郎壁画

同窓生なんて全然知らなかったし、
お話を聞き、数奇な「明日の神話」のいきさつや
芸術家岡本太郎の熱と創意工夫に勝るとも劣らない
中田さんやその他の方々の表に出ない苦労の一端を知り、
作品を今までと違ったものに見えてきた。
ちょうど 大壁画『明日の神話』が渋谷のマークシティに公開されたのは2008年の11月17日。
まもなく丸2年が経過する。

岡本太郎壁画2 岡本太郎壁画3


初めはその壮大なスケールに圧倒され、足を止め、目が釘付けになった方も多かったと思われるが、
いまや、そこにあることさえ忘れられたかのように日常の風景と化している。
岡本太郎と岡本敏子が望んだ「だれもがいつでも見られる」たくさんの人が行き交う場所で、
「芸術は、鑑賞しなくてもいい、文句を言ってもいい、無視してもいいんだ」と
岡本太郎は言っておられたにしも
交錯する多くの急ぎ足の人々がその前を足早に素通りするのは寂しい。
この作品は原爆の炸裂する瞬間をモチーフとし、未来に対するメッセージを描いたものだそう。
炸裂の瞬間は残酷な悲劇を内包しながら、
その瞬間、誇らかに「明日の神話」が生まれると信じた、
岡本太郎の痛切なメッセージがこめられている。

奇跡の発見後の搬送から修復、公開までのおびただしい時間と人々による
ご苦労は、すでに
作品自体が明日の神話をつむいでいる証拠。
すごい力だと思う。

渋谷以外にも広島や大阪の吹田(万博公園)から恒久設置の候補地として名乗りがあったそうで
それぞれ意義深い候補地で、どこに展示されても遜色ない気がする。
その中で選ばれた渋谷が未来までも最高の展示場所だったと思われつづけてほしい。
まったく思いがけず素晴らしい同窓会ではあった。

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Author : merienda

創造力と想像力で楽しむ暮らし。現在山に夢中。お花大好き。月1回の男の料理会。東京在住。1昨年末99歳の姑を、昨年母(96歳)を自宅で見送りました。金婚式を終えた老夫婦の新しい暮らし始まりました。
写真はカシニョール「おやつの時間」
メリエンダはスペイン語でおやつ(間食)のこと。

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